富山賃金制度研究所

社会保険労務士中田事務所

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◎これからの賃金制度 -同一労働同一賃金時代を迎えて-

これからの賃金制度を考える上で、「同一労働同一賃金」は避けて通れない課題です。企業の対応といたしましては、正社員とパート社員、契約社員、無期社員、定年後再雇用社員といった多様な雇用区分間で均等・均衡待遇を実現する場合、何を基準にして賃金を決めるのかという全雇用区分共通の一本の軸が必要になってまいります。改正法は、あくまで正規労働者と非正規労働者の格差解消を目指すためのものであり、正社員同士の同一労働同一賃金実現に関するものではありません。しかしながら、比較対象である正社員について、もし客観的な基準がないのであれば合わせて整備する必要があるといえるのではないでしょうか。部分的な見直しは、付け焼刃的なものとなってしまいます。従来型の賃金規程によく見られた「基本給は、年齢や経験、職務内容などによって総合的に決定する」といった賃金の決め方は、通用しない時代になってきたといえます。

 

また現状は、基本給体系が正社員は職能給で、非正規社員は担当する職務によって給与を決めているという企業が多く、こうしたケースでは、職務評価によって均等・均衡待遇がとれているかどうかを確認していくことになりますが、制度設計の難易度は高くなります。可能であればこの機会に、同一の基準を用いることがよいと考えられます。

 

「同一労働同一賃金」の考え方においては、何を軸にして評価すべきかを限定しているわけではありませんが、制度を作るうえで「同一労働同一賃金」と親和性の高い軸というものはございます。人事制度という面で考えますと、従来は能力を軸とした考え方が中心でしたが、能力は経験と共に向上し低下しないことを前提としているため、賃金が年功的になりやすい弊害があります。また欧米型の職務給は、職務そのもので賃金が決定されるため、「同一労働同一賃金」と親和性が高いといえますが、新卒一括採用や、入社後に様々な職務を経験しながら育成したり、等級をまたいで難易度の異なる複数の仕事を担当することが多い日本のスタイルにはなじみにくい性質があります。 

 

 そこで当事務所では、こうした弊害を避けるため、全雇用区分を「役割」という軸で捉えた「役割等級人事制度」の導入をお勧めしております。